くだもあのえき

冬の停車駅

冬の停車駅は次の4つです。

●ようこそサンふじりんご駅へ!


うれしい収穫
 サンふじりんごは多くの県で収穫できるけれど、山形のサンふじりんごのおいしさの特徴は…。

 「どこの地方でも完熟すれば蜜入りりんごはできる」と専門家は断言しています。しかし出荷時期と気候条件との兼ね合いで、蜜が入る前に収穫せざるを得ない場合も多いのです。ところが山形県はりんご本来のおいしさが生じる完熟期と収穫期がみごとにかみ合います。その為、完熟を待って出荷できるため、たっぷりの蜜が入っているのです。甘いだけではなく、酸味とのバランスも良いのが特徴です。



●ようこそシルバーベル駅へ!

 積もっては消え、消えては積もっていた雪もとうとう根雪になる頃、シルバーベルがおいしくなります。ラ・フランスと形は似ていますが、果肉に弾力があって、もちっとした食感が魅力です。

 クリスマス頃に食べられることから、その形をクリスマスツリーのベルに見たてて「シルバーベル」と名前が付きました。一口食べると幸せのベルの音が鳴り響いてきそうですね。年を越しても2月頃までおいしく楽しめるので果 物の収穫できない時期に貴重なビタミン源ですよ!



●ようこそ干柿駅へ!

 紅干柿は「紅柿」、蔵王つるし柿は「平核種(ひらたねなし)」(両方とも渋柿)を干して、できあがります。渋みの成分タンニンは干すことで封じ込まれ、渋い柿ほど干し柿になった時に格別 の甘さになります。むき柿を2週間くらい蔵王おろしの風に当て水分を抜き仕上げにじっくりと室内乾燥させると表面 に白粉(しらこ)がふいてきます。これが糖分の結晶で干柿のおいしさの象徴です。外側は硬く中はトロリとなめらかな極上の干柿はこうした手間の中から生まれます。ビタミンA・
Bそして、作り手の愛情たっぷりの干柿をどうぞお召し上がりください。


くるくるっと皮をむいて

1つ1つ縄にくっつけて干す

むいた皮は大根づけの甘味料に!




●ようこそ啓翁桜駅へ!

 昭和5年福岡県の吉永太郎氏がシナノミ桜を台木にヒガン桜を接木したところ、その穂木であるヒガン桜から枝変わりとして発見されたのが啓翁桜(けいおうさくら)です


 吉永氏の一字「」を頂き「啓おじいちゃんの桜」という事から啓翁桜と命名されました。初春にふさわしいなんともおめでたい、そして可愛らしい響きの素敵な名前ですね。


外は雪でもハウスの中は日中20℃
花芽がふくらみはじめています

 東根市には昭和39年に持ち込まれ、桜栽培の土壌や気候に適していることと、他の果物の作業と重ならないことから、年々、安定生産、品質徹底に力を入れ今では東根を代表する産業になりました。雅子さまのご婚約会見の席で後ろに飾られたことも印象的です。

 ちっちゃな淡いピンク色の花は、ほころぶとさわやかな甘い香りがします。また花が終わっても、風情のある葉桜として長く楽しめますし、菜の花等を添えるとまた違う趣きになります。




●冬の仕事 〜剪定(せんてい)作業〜

 1月から3月にかけて雪が降り止むのを待って、雪に包まれ果 樹畑にじっと立っている木々に会いにゆきます。雪のない時ならトラックでもすんなり行ける畑道も、冬ともなれば人を寄せつけない程に雪で道を閉ざしてしまいます。

 そうなったら、かんじきの登場。スキーをはく人もいます。

 お昼のお弁当を背負って、よいしょっ。こらしょっ。

 この冬のびた木々の枝を切ったり重たい雪から枝を守るため、雪おろしをします。私たちが散髪したり体に積もった雪を払い落とすのと一緒です。雪で反射するのでこの時期に畑へ入ると山男のように真っ黒顔へと変身するのです。

 地道で気の遠くなるような膨大な量の仕事ですが、明日、実をつける為のとっても大切な作業なのですよ。

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